第34章 彼を愛したことを、一番後悔している

佑奈は少し驚き、唇をきゅっと結んだまま何も言えなかった。けれど、どうにも胸の奥がざわつく。

こんな状況なら、有川紘樹は佐伯薫のほうだけを気にかけて、自分のことなど放っておくはずじゃないのか。

――考えたくない。

車に乗り込むと、佑奈はこめかみを揉んだ。

有川紘樹も続いて席に着いたが、道中は終始無言だった。アクセルだけが答えるように踏み込まれ、彼女は最短時間で病院へ運ばれた。

医師が傷口を洗い、消毒し、処置をして包帯を巻く。

佑奈は痛みに耐え、顔色ひとつ変えず、声も上げなかった。

医師が出ていくと、有川紘樹は部下に買わせた水を手渡してくる。

「少し飲め」

佑奈は受け取らず、視...

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